りせっとさん
「何故あなたは都合よく過去を忘れるのか」「そこにリセットボタンがあるからさ」-ジョージ・マロリー(仮)-
ふたりはダイナソア
 おなかがっっ!
 しぬかとおもいました(笑) 人間て頑丈だなぁ。

 私がいうのもおこがましいですが、最近、先人の遺業に敬意を払わないオタクさんがおおいですね。オタクというのはその道を愛する人だと私は思っているので、リスペクトが前提だとおもうんだけどなぁ。
 表面的な知識をひけらかすひとたちのことじゃないはずなんだが。

 私の友人でも、私の好きなB級映画をくそみそにけなすやつがいるのですが、実はそこにあるのは「愛」なのですよ。愛がなければあんなもんみないって(笑)
 お互い前提として「でも、その作品が好きだ」ということがあるからこそ罵りあえるのですが、最近のブログなんかよんでると、前提として「おれはすごいだろう」というものが多くて閉口します。
 一般人はそりゃあしらないだろうけれども、私よりも濃い人たちはそんなもの基礎知識だって。決して自慢のできるものじゃないんだよ。
 むしろそういうことをこれみよがしにひけらかすことは、恥ずかしいことなんだよ。

 ん。


 私のやってるコトって恥ずかしいことなのか∑( ̄□ ̄||||||



 今日もそんな恥ずかしいネタです。
◆それでも私は人形アニメを見る

 以前のページでゴジラネタをやったとき、ローランド・エメリッヒの作った「ゴジラ」は本邦のそれではなく、ゴジラの生みの親と言っていい二人のレイによって生み出された作品にささげられたものだ、といったようなことをかいた記憶があります。
 エメリッヒは馬鹿でオタクなので(無論ほめ言葉)、おそらくはゴジラが日本のアイデアだけで生まれた、とされることにオタクらしい反骨があったのでしょう。

 一人目のレイは、ブラッドベリ。そして彼の親友であり、世界中の映画関係者から今も尊敬と畏怖を集めているのが二人目のレイ、ハリーハウゼンです。
 ハリーハウゼンが撮った「原子怪獣現わる」はブラッドベリの「霧笛」をヒントにされていまして、ええ、オタクさんはよくご存じと思いますがゴジラはこれにそっくりです(笑)
 そのためエメリッヒは「ゴジラの元祖はリドサウルスなんじゃ~」とばかりにゴジラをトカゲにしてしまったのではないかと思えます。この後日譚となっているアニメーション「ゴジラ・ザ・シリーズ」は、アメリカのオタクどもの熱き血潮が伺えます(笑)

 ハリーハウゼンが関わった作品にはストップモーションアニメーションという特撮が使用され、それ以前ではトカゲの背中につくりものの背びれをつけたり、ミニチュアの窓からトカゲをねじ込んだりといった、当時見てもおそらく「痛!」という映像と比較しても、格段に質が高く、また空想上の映像を、立体感のあるオブジェクトで撮影するため役者との合成映像がなじみやすく、ためにこの作品群で育った世代はほとんどみなトラウマ的インパクトを受けているのです。

 その一例として、近年売れました「ハムナプトラ」に登場するミイラ戦士は、あきらかにハリーハウゼンの撮った竜牙兵そのものですし、それをさらに一歩進め、「表情を持たせる」ことでCGであることの利点を活用し、先人ハリーハウゼンへ報いていると思われます。
 この映像はゲームの世界でも登場し、ネットゲームであるマビノギにて、キアダンジョンのボス部屋で、ゴーレムの取り巻きとして登場するメタルスケルトンの動きは、明確に影響下にあります。というよりも

 骸骨兵士といえばハリーハウゼン

 そのくらいのインパクトがあった、ということなのです。
 師匠に当たるウィリス・オブライエンがおさるさんで有名ならば、ハリーハウゼンは恐竜なわけですが、その後継者に当たるのがジム・ダンフォース。ストップモーションアニメの弱点である、コマ間のちらつきをなくすためにグリースを塗ったガラス越しに撮影するなど、この方面の進歩に貢献し、「ジュラシック・パーク」の館内にある横断幕には"WHEN DINOSAURS RULED THE EARTH"とあり、つまりダンフォースの「恐竜時代」(くだんの文句は原題)に捧げられていることがわかります。

 ジュラシック・パークに参加している技術者の多くは若い世代ですが、自分たちがリドサウルスやドリルちんちんロボ(いやそれ違う)の子供たちであることを自覚し、そのことに敬意を払っています。オタクとはこういうひとたちのことをいいます。
 CGすげぇ、CG最高とかぬかして、どのような経緯でそれが生まれたのかをしらない馬鹿は

 オタクを名乗るなどおこがましい

 自分たちが何を栄養にして育ってきたかをわきまえていない人たちは、オタクと呼びません。
 しかしこころみにジム・ダンフォースでぐぐってみると、やはりここがひっかかってくるわけですね。しかも「フレッシュ・ゴードン」ネタだし(笑)
 リック・ベイカー師匠にも怪人クレクレタコラという前科があるからなぁ。みんなこういうの好きなんだろうなぁ(笑)

 なお、ジュラシックパークは当初ストップモーション・アニメーションとCGI双方で製作が進められており、結果としてストップモーションの方はCGIへのフィードバックとして活用され、あの生き生きとした映像を生み出すのです。なんとなく「ガッパ~ガァッパ~」とか「けなけ~なシーモンス~」と歌いたくなる「ロスト・ワールド」のほうは、確かCGIのみだったと記憶していますが。

 さて。ここに登場してくるのが「ジュラシック・パーク」で特殊効果を担当したフィル・ティペットです。
 ティペットはかのI.L.M.の人間で、コマ撮りには「ブレがない」ことで(静止物体を撮影しているため1コマ1コマに動きがない)不自然に見えてしまうという欠点がありました。それを克服するために、「ドラゴンスレイヤー」にて、物体をメカニカルに動かすことでブレを生み出すという画期的な手法、ゴーモーションを生み出すのですが、「ジュラシックパーク」に迎えられた時点で、同じI.L.M.の(ティペットは既に独立していたが)デニス・ミューレンによるCGに仕事を奪われます。

 しかし、そこで終わらないのがこの人の凄いところ。コンピューターに動きを入力するDIDという装置を開発し、結果として恐竜たちの「演技」を担当、アカデミー賞では特殊視覚効果賞を受賞することになるのです。
 のち変態監督バーホーベンの「スターシップ・トゥルーパーズ」にも参加し、のち同作の2作目を担当、エイリアンミーツ軍隊という低予算路線で(事実アメリカではTVムービーである)監督を務めています。
 そしてこのティペットが業界を志した理由というのが

 ハリーハウゼンの「シンドバッド七回目の航海」に感動した

 というもので、ハリーハウゼン師匠のいかに偉大であったかを知らしめるお話となっています。
 事実、アニメーションや漫画、はてはゲームやTRPGといった、ファンタジーを題材とする作品のイメージソースとして常に影を落としていると言っても過言ではないのがハリーハウゼンなのですよ。
 アニメオタクを名乗るにしても、映画オタクを名乗るにしても、ハリーハウゼンの名を知らないということは恥ずかしいことなのです。どのくらい恥ずかしいかというと

 ガンダムが水爆を斬ったことを知らないくらい

 たとえが適切じゃないな。
 とりあえず「自慰がこんなにすごいなんて……」という台詞でしめくくっておきましょうか。
 まったく関係ないし。

 まぁ、わたしら年寄りの世代には「タイタンの戦い」で弓をつがえるメデューサの美しい動きであるとか、「シンドバッド虎の目大冒険」で石に潰されて死んでしまう(記憶違いかもしれない。今から見直そう)ミナトンとか、みているだけで飽くことのない映像なんですよねぇ。

 つーか、ミナトンかわいすぎだろミナトン!!!

 わざわざ手こぎ船を漕がせたりとか(沈むだろ)、黙然と付き従うミナトン。けなげだね!
 私がオタアニメーターなら、これを言葉をしゃべれない萌えロボ子にしてつくるね。絶対作るね。
 ……例によってどんどん脇道にそれるな。

 デイヴ・アレンについてもちらっとふれとくか。
 セックス・ピストルズ以来最もすばらしいパンクといわれたってそりゃあギャング・オブ・フォーだろう!
 先の「恐竜時代」でジム・ダンフォースとともに特殊効果を担当したのがアレンなのですが、やはり彼の代表作といえば

SFレーザーブラスト

 間違い

空の大怪獣Q

フレッシュ・ゴードン」でも可(笑)
 クライスラービルでの怪獣と警官隊の銃撃シーンは、「キングコング」をおもわせる絵ですが、カメラアングルが妙に凝っているせいで二番煎じの観が全くなく(まぁQ空飛ぶしな)、アメリカのオタクさんの間では「怪獣といえばこれ」というくらいの定番作品です。
 ストップモーション・アニメーションは、モデルを固定して次々に動きを与え、それをひとつひとつコマに撮影することで動いているように見せるわけですが、つまり「固定」しなければ撮影そのものが困難という逆説が成り立つわけで

 空中を飛行するものを撮影しているというのは、実は大変凄いことなのですよ

 これはその後の作品「ニューヨーク東8番街の奇跡」などでも発揮されていまして、やたらB級映画に名前の出るダンフォースや(笑)、スノーウォーカーの撮影者として名高いティペットあたりと比べると名前がかすみがちなのですが、手先の器用さを感じさせる職人技が好きなので、いつもチェックしている人です。

 結局「ジュラシック・パーク」以前と以後、といわれるほどに、映像の特殊効果は見た目だけ画期的に変わってしまった訳なのですが、じつはやっている中身は全く同じ、しかも、いかにTレックスをつくってみても、Tレックスがどんな動きを見せるのか演技させるためには、いまだにストップモーションで蓄積された技術が必要だという

 これが特撮の進化、ということなのですよ

 全て過去の遺産を濃厚に継承しているわけであって、CGをいかにつかう時代になっても、階段で死んでいる戦闘員が再びライダーに襲いかかるのと大差ないことをやっているのです。

 大差あるか

 ま、ヨタはともかくとして、現在私たちがSF映画を楽しむことができるのは、ハリーハウゼンが魅力的な恐竜や怪物を世に送り出してくれたからだともいえるわけでして、もしこの名前に心当たりのない人は、早速ぐぐって関連作品のひとつふたつをみることをおすすめします。
「タイタンの戦い」なんかい今見てもふるえがくるものなぁ。

 頭がぐるぐるしてきたのでねます。おやすみなさい。

 あっそうそう。
「フレッシュ・ゴードン」、以前から気になっていてプロデューサー調べてみたのですが、あの「エッチの国のアリス」やってるひとなんですなぁ。
 それがダンフォースやアレン、ベイカー師匠と……

 つながりわかんねえ。
 ますます困惑しました。
コメント
この記事へのコメント
長いコメント
ああ、それは製作・監督のハワード・ズィームに特撮エフェクト関係の人脈が全くなかったので、某ポルノ映画の撮影現場でスタッフに
「誰か、特撮のできる人間の知り合いはいない?」
と訊いたところ
よせばいいのにカメラマン助手が
「俺、ひとり知ってますよ」
と、プロ経験のまったくない、趣味でストップモーションアニメを撮影している、今で言うところの同人さんを紹介
で、まあその同人さんがプロの経験もないのにその仕事を受けちゃったから、さあ大変
当然、プロの経験がないので仕事が全然進まなく
「このままではヤバイ」
と思ったその同人さんが、友人であるプロの特撮技師ビル・ウィリアム・ヘッジに「助けて」と泣きをいれたところ
ビル・ウィリアム・ヘッジの所属する新進気鋭の特撮技師集団「カスケード・ピクチャーズ」の知るところになり
ダンフォース、アレン、ベイカー、ミューレン、ベズウィックといったメンバーが続々と参加することになるわけで

ちなみに、この作品のために膨大な量のストップモーションアニメを撮影したのに、半分も使われなかったとか
ギャラが未だに未払いだとか

さらにちなむと
この作品が無かったら、例の「吸血男オクトマン」はダンフォース先生が担当する予定だったとかで
いち特撮ファンとしてはダンフォース先生の経歴に傷がつかなくって胸をなでおろしております
「いやッ!フレッシュゴードンに参加したほうが、傷が深いのではッ!」
という意見は聞かなかったことにしたい(笑

さらにさらにちなむと
ダンフォース先生、実は「吸血男オクトマン」のデモリール(もちろんストップアニメーションで)を撮影していたのですが
そのデモリールを見た監督が
「こんな出来じゃ、アカン」
と言ってダンフォース先生を外したそうで
その結果がリック・ベイカーのギグルミデビューに繋がるわけですが
「どう考えてみても、あの出来なら、ダンフォース先生の仕事の方が上です、ありがとうございました」
と言わざるえないのは、どうしたことかと
監督の見る目が無いということか
けどこの監督、あの往年の名作「大アマゾンの半魚人」の脚本書いてる人なんだけどなあ

この監督、当のベイカー自身が「恥ずかしい出来」と言ったギグルミの仕事になぜか大満足、次回作にもベイカーにキグルミの仕事を発注したほど惚れこんだそうですが
これはアレだな「大アマゾンの半魚人」がヒットしたから
「特撮はギグルミじゃなきゃアカン!」
とか思ってるせいなのかも

際限なく書けそうなんで、このへんで止めておきます
2006/05/30(火) 22:12:50 | URL | 全滅屋団衛門 #-[ 編集]
おおっそれはしらなかったなぁ。ありがとうございます。
この業界は狭いから、友人つながりだとはおもってたのですが、そーか、そういう流れだったのか。

そもそもブラッドベリとハリーハウゼンも、かの全米1のオタクアッカーマン繋がりって話も聞きますし、いやあ、メチャメチャせまいせかいですねぇ(笑)

冷静に考えると、1素人の私が直接的間接的にプロの絵描きや漫画家、作家と友人だったり知り合いだったりすることを考えると、いままで「今の同人は同人、てのとはちがうよなぁ」とかほざいていた不明を恥じるばかりです。いっしょじゃん。

タコにかんしちゃあれですよ、きっとベイカー師匠の才能を見抜いたということで(笑)
いつまであれがフィルモグラフィにのこるんだろうってな話をしてましたが、臆面もなく残してあるっていうのは、やっぱり愛着あるんでしょうなぁ(笑)
あの見得を切って、ちょっとこわごわ「とうっ」て感じに飛ぶところとかがバロム1をおもいだすんですが。(造形も)

あれにかんしちゃおそらく、スーツなら撮影速度もはやいし、仕上がってきたものが意図していたものと違ったときだめ出しをしやすいし、なにより安上がりで

どうせ二束三文で売られる映画なんだから安い方がいい

という、コーマン的居直りがあったんじゃなかろうかと(笑)
そこの出来がよければオタクが金を落としていく、って時代でもないので、売り上げが変わらんのなら安い方がイイに決まっている、なによりシナリオは俺が書くんだからってぇとこですか。

金 時間 仕上がり そして 収益

てなことをどう配分して考えるかってことなんですかねぇ。
ルーカスなんかは「やすく、早く、美しく、しかも儲からないといやだ」という人だから、有能な人材に次々と逃げられているようなきもするんですが(笑)
あげく特撮シーンの取り直しとか、よせばいいのにって思うこともあるんですが、まぁ楽しいし売れてるからいいや(笑)

こういうときに身近にオタクさんがいると、1秒で長年の謎が氷解するからこういうブログってのはやめられんなぁ。
2006/05/31(水) 01:28:41 | URL | りせっとさん(仮) #-[ 編集]
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