りせっとさん
「何故あなたは都合よく過去を忘れるのか」「そこにリセットボタンがあるからさ」-ジョージ・マロリー(仮)-
9月
「ブラック・サンデー」はほんとうにおもしろいですよっ(2011/2/6)

撮影出身ということもあり、随所にトリッキーな絵ごころを感じさせるし
ゴシック趣味満載のセットもすばらしい
壁掛けの絵(隠し扉になっている)のそばの暗がりから、染み出すように沸いてくるところとかもうね

えっ?

bsn01.jpg

マリオ・バーヴァの「血ぬられた墓標」(La Maschera del demonio, 米題:Black Sunday, 1960年)の話じゃないの?
バーバラ・スティールを一躍スターにした映画ですが、おかげでバーバラはホラー映画の常連になり、せっかく知名度が上がって、リスペクトしてくれる監督にも恵まれたのに、デヴィッド・クローネンバーグとか(「シーバース」)ジョー・ダンテとか(「ピラニア」)その筋ではマニアで知られた方ばかり。
でも、みんなちゃんとした映画にはなっているのでルークよりはマシだとおもいますが。
ちなみに、「ピラニア」での博士役は、クールでとげのある容貌がはまり、本当にむなくそわるい役を見事に演じてます。こういうところ「ただリスペクトしているので出しました」でないあたりが、ダンテの面目躍如といったところ。

でまあ、何日かまえに自分で振ってんですけどね「ブラックサンデー」(笑)

トマス・ハリス原作ですが、羊シリーズがヒットしすぎて、逆に脚光を浴びなくなったポリティカル・サスペンスの一本。こんなノンフィクションっぽいものも、手がけていたのですよ、人食い小説がヒットするまでは。
今でこそ、なんかそれっぽい合成ポスターになってますが
ぐぐる先生の結果をはっておきますね
真ん中あたりにある、目だし帽に銃持った、赤いやつ。これがビデオジャケットですよ。
誰も見ないだろ、これ。
いや、私は埃かぶってたのさがしだしてきて、みたんですけどね(笑)
でも、このパッケージを見て、3度手にとってやめましたよ。どうみてもおもしろそうじゃないもの。
それでも見たのは、ロバート・ショウ主演ということで。

ロバート・ショウがモサド?

このギャップにみたくてたまらなくなったんですが。
なんか、ロシアの殺し屋とかサメ狩りのプロとか、無国籍な人だよなあこの人も(笑)個人的にはリチャード・レスターの「ロビンとマリアン」で、ショーン・コネリーとよたよたどつきあってた役が一番好きですが。

物語は、今となっては手垢のついたもの。
テロリストがアメリカを攻撃する。
ところがこの当時は、まだ本土がテロに脅かされることはなく、当然ながらフィクションとしてによによみていられるものだったんですよ。つまり「ネタ」でしかなかったわけですが
そのネタが笑い事にならないほど、アメリカ人はあちこちで恨みを買ったわけです。人の国の内政に首突っ込んで、むちゃくちゃにかき回した挙句逃げ出したバチってもんですが、殺される人たちには、まあ罪はないですよね。

で、このあたりリアリティを盛り上げるため(今ならただテロリストってだけで何してもOKですが)、黒い九月(実在のテロ組織)がベトナム帰りで合衆国に恨みを抱いている爆弾野郎をスカウトするという、かなりきな臭い導入。対するのが、CIAでもNSAでもない、イスラエル情報局ってあたり、「よそのくにの話だよな」って感じですが

これは1972年、実際に黒い九月が起こしたミュンヘンオリンピック事件(イスラエルの選手11人が殺害された)を下敷きにしているせいで、そのためにモサドが動いているんですね。これ、今ならモサドなんか引っ張り出さなくても、アメリカ人が世界中からうらみ買っているんでCIAで十分なんですけど。

ショウと対立することになる、元米兵がブルース・ダーンなんですが、このひと代表作が「サイレント・ランニング」とか、ヒッチコック作品ではさっぱり売れなかった「マーニー」なので、知名度が低いんですよ(笑)
しかし、祖国に裏切られた(見捨てられた)軍人を好演してまして、アメリカ人である彼がテロ遂行に命をかけているのに対し、イスラエル人であるショウが体張ってアメリカ人を守る、といった立場のこっけいさとか、先にネタにした「パニック・イン・スタジアム」がそうであるように、ラストは数万人の観客を巻き込んだスペクタクルなのかと思わせつつ、渋く(言い方をかえると地味に)幕引きしたり、演出意図がわりに本格的な社会派を意識したものになりすぎてて、スペクタクル映画としては失敗こいてるんですよ。テロ予告があった、なんてことがまことしやかにささやかれてますが、ぶっちゃけ鳴り物入りで入ってきた(スタッフはすごい)この映画の試写を見て、「だめだこりゃ」と思った配給が、渡りに船と公開を見送ったんじゃないですかね。今なら売れるんじゃないかって? いやあ、やっぱり映画は、なんだかんだいって人の死とカタルシスを求める不謹慎なメディアなんで、小説なら面白い「裏面進行の駆け引きとサスペンス」も、映像化するとこけるとおもいますよ。観客はそこまで面白さを説明されないとわかってくれないです。たぶん。
あ、いや見せ場はあるんですよ? スタジアムすれすれにつっこんでくる飛行船とか。
でも、基本的に観客が逃げ惑うだけなんで。
(とはいえ、ここのカメラワークはすばらしく、飛行船の巨体の圧迫感は特筆もの。グッドイヤーから文句はでなかったんですかね?)

ライヴ感覚を出すために、要所要所で手ブレをいれてみたり
画像じゃわかんないですが

bsn02.jpg
グッドイヤーの文字くっきり
bsn03.jpg
手前は街灯
bsn04.jpg
スタジアム上空へ
bsn05.jpg
客席に迫る
bsn06.jpg
左の黒い影「二階席から」落ちる人
bsn07.jpg
客席を斜めに
bsn08.jpg
上半分の黒いのが飛行船。近っ!
bsn09.jpg
奥のなんとなくまるいのが飛行船。近っっっ!

と、画像多めにっていうか今から見る人にとっては台無しですが、うちわざわざ見てる人は、もうみてる、か、興味がないかのどちらかですよね?

ほんとはこれに、ショウとダーン(と黒い九月のねーやん)のドラマが絡みます。ちょっとショウの部分がTVM的に安い感じですけど、このへんさすがにスタジオだと思うんで、まあ、大目に見てください。

いいなあ。
盛岡の人いいなあ。
大画面でロバート・ショウいいなあ。
いや、天神東宝でもやるんですけどね。
全般的に「ヒットしたもの」「批評家受けのいいもの」が並んでいる中
なんでなんだ「ブラックサンデー」……私、これほめてる人ほとんどみたことないぞ(笑)
バーヴァの方は大絶賛ですけど。
「ワイルドバンチ」とかペキンパー臭もあるし、なにより「ブリット」はいいとして「華麗なる賭け」とか斜め上のラインナップは、私と趣味が似てる人が選んでるのか?
とすると「M★A★S★H」はドナルド・サザーランド祭りの序曲ですか?
「針の目」とか「大列車強盗」とか「SF/ボディスナッチャー」とか「ス★パ★イ」とか
(タイトル、そしてMASHの片割れエリオット・グルードってことで、あからさまに二匹目の土壌を狙ったコメディですが、やっぱり中身もそんなもん)
実は「黒馬車の影」というホームズものをやってくれんかと、ひそかにおもってるんですが。
これ、切り裂きジャックネタで、ホームズはクリストファー・プラマーなんですが、当時結構信憑性を持ってうわさされていた(現在はほぼ否定されている)王室犯人説に基づいていて、地味に面白いんですよね。
地味すぎてTVでもやってくれないよ、よほど古いショップでないと、ビデオも置いてないですが。

しかし「ロシアより愛を込めて」とかあるんで、そのうちバルジなんかもはじまってロバート・ショウ祭りフーッてかんじになりそうですが
「ナバロンの要塞」はやっても

nb01.jpg
画像はエドワード・フォックスだったりしますが

「ナバロンの嵐」はだめなんだろうなあやっぱり

終わり方好きなんですけどねえ。
どーも役者がTVMっぽくて。特にハリソン・フォードの似合ってない軍服とか(笑)


テロのどうしたとか

私基本的に、映画関係者の言うことは信用しないんで
劇場爆破予告なんてのは、なんか裏の事情があるとずーっと思ってるんですが
ガキのころの話だからなあ、当時の政治的な温度からいって、ほんとにそういう危機感はあったのかもしれません。
なんかこのパッケみると飛行船が人を襲っているように見えますがちがいますから。
このあたりの、物語の持っているサスペンスと、物語中の被害者に相当している連中には真の恐怖が伝わっていないずれが、なんか変な映画になっている気がするんですが。
むしろ、飛行船突っ込むシーンは要らなかったんじゃないか?
まあ、それだとほんとに地味な映画になるんで、むりくり突っ込んだような気はしますが。
人物の構図が、ハリウッド大作にはない、というかアメリカ人おいてけぼりなあたりも、興行的にだめなんじゃね? という予測の材料になってるとおもいます。
今の情報共有時代ならともかく、モサドなんて一般市民はしらんて。
あ。中古は800円くらいでした。ま、そのくらいの価値はあると思いますよ。

しかし画像ぺたぺたはると中身の濃い仕事した気になれるのはいいな。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://roboko.blog41.fc2.com/tb.php/813-d93c13a2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック