りせっとさん
「何故あなたは都合よく過去を忘れるのか」「そこにリセットボタンがあるからさ」-ジョージ・マロリー(仮)-
ぱん
「パニック・イン・スタジアム」という映画がありまして

私がジョン・カサヴェテスという名前をちゃんと意識してみた初めての映画なんですが
版権が安かったのか、これが日曜の昼の映画枠でしょっちゅう再放送をやってたおかげで、私の中でのパニック映画の定番、となっています。
WIKIなんかにもありますとおり、オールスターキャストのパニック映画なので、「タワーリング・インフェルノ」なんかの系列になるんですが、迫真性という点でいえば間違いなく、こちらの作品のほうが上だと思います。
まあ、「オールスター」が今はマニア以外知らない人ばかりになってるのでアレですが。

カサヴェテスは、っていうか話の前に

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ジョン・カサヴェテスってロイ・シャイダーに似てませんか

サングラスのせいもあるんだろうけど、口元のシャープな感じがなぁ
子供のころ、ぜんぜん見分けがつきませんでした。
実はインディペンデント映画(かっこつけづにいうと言うと自主制作映画)という観点から、映画史ではこの人の名前を知らなかったらもぐり、ってくらいのすごい人なんですが
独立系の映画ってのは、ようするに大手プロダクションの制約に縛られることがないため、自由な作風で表現できるというメリットがあるんですが、デメリットとしては「製作資金は自分で稼がなければならない」ってことで
映画を作って金がなくなると俳優をやる
ってことをくり返していた人
日本では多分、「ピーター・フォークのマブダチ」ってことで知名度があると思うんですが
(コロンボ「黒のエチュード」にも出演、フォークが監督を手がけた「パイルD-3の壁」では、スピルバーグとともにアドバイスを与えた、ともされています)
やってることだけ聞いているとエド・ウッドみたいですが、作品のレベルはぜんぜん違います
(役者としての技量も)

いつでもどこでもええかっこしいのヘストン御大がでしゃばるのに対し、SWATの隊長として、控えめだけれども的確に仕事をこなすカサヴェテスは、完全にこの作品の主人公です。
看板にはチャールトン・ヘストンって書かれますけどね。

一応パニックもので、ラストの群集映像は圧巻の一言に尽きるんですが、なにより、事件の裏面で進行するSWATの対応というのを、丁寧に(そしてエキセントリックではなく)描いているため、サスペンスとしても良質に仕上がってます。
大げさな演技のヘストンがとんでもなく田舎者に見えるくらいに。
「ダイ・ハード」からブルース・ウィリスを消して、警官だけで作った映画、って感じですかね印象は。

途中、犯人に射殺され、宙吊りになってしまうSWAT隊員を、隊員が見守るシーンがあるのですが(照明から吊り下がっているので、観客は振り返らないと気づかない。そして観客はゲームに夢中という状況)、10万人という観客のパニックを考慮して、生きているのか死んでいるのかすらわからない同僚の姿を見守るしかないせつなさなんかは、警官ものが好きな人には胸に詰まるシーンです。最近の映画って、こういう場面は単に悲惨さをアピールするための味付けなんで、死んだらなんのフォローもないんですが、犯人を確保した後、無人になったスタジアムで、仲間たちの手により下ろされるシーンが哀しい。こういうシーンを描けるかどうかで、社会派だとかなんとかの化けの皮がはがれると思うんですよねー(笑)

パニックものの定番として、焦点の当たった人たちがとてもわかりやすく人生を語ってくれたりもしますけど、こういう名もないSWAT隊員に、きっちり目を向けているあたり、この映画はひどくまじめなスタンスです。さすがにカサヴェテスがでてるだけのことはあります。息子は「処刑ライダー」でチャーリー・シーンに轢き殺されたりしてるけど。
マーチン・バルサムが相変わらずカンカン帽みたいの被って、いかがわしさ全開なのもいい感じですが、オールスターものにありがちの

大げさすぎ

という演技は押さえ気味で(除くヘストン御大)、そのためクライマックスシーンで次々と射殺されていく人々の中に彼らの姿を見つけると、ハリウッド大作にありがちの「はいきえたー」感がなく、胸の詰まるような哀しさがあります。なにしろ狙撃されてるんで射撃音もないから、突然胸から血を吹いて、自分に何がおきたのか理解するまでもなく死ぬんですよ。
この無差別な死の連鎖が、数あるチャールズ・ホイットマンネタ映画(「フルメタルジャケット」でハートマン軍曹がご自慢だった海兵)では、もっともよく描けてるんじゃないですかね。平凡な日常が、突然死で終わるというアメリカのリアリズムというか病根の描き方としては、パーフェクトでしょう。と、社会派みたいなことをいってみたり。

怖いのは、明らかに射殺された人ではなく、群集に踏み殺された人をもカメラが追っていることで、カメラの引き方なんかを見ると「演技」だとはわかるんですが、それでもなお、圧倒的な人の多さで(いったいエキストラ何人だったんだろう)、群集パニックという状況を、実に見事に描ききってます。
いやあ、この映画ヘストン御大以外はほめるところしかないよなあ
いや、チャールトン・ヘストンは好きですよ?
でも、これはミスキャストだろ(笑)

ま、メインPCが起動しないというか、たまにぐずついてうんともすんともいわなくなるんで映画みてたんですけどね。
くっ。

いいたいことはいろいろあるけど、この映画だけはどんだけ繰り返してみてもあきません。
リアリティというよりも、そこに人間がいる、感じがしてすきなんですよね。
この映画見ると、どんなやなことも即座に忘れます。

チャールズ・フォックスの控えめな音も素敵です。
代表作が「ショート・サーキット2/がんばれ!ジョニー5」とか「裸の十字架を持つ男/エクソシストフォーエバー」とか、ちょっとアレですけど。ほかにもっとあるだろう、「バーバレラ」とか「燃える昆虫軍団」とか。

もっとアレかそれは。

トレーラーはろうとおもいましたが、なんかこのトレーラー、下手だなあ。この映画のよさを全部切り捨てて、大味なハリウッド大作みたいにしてるんで、はりません。原題は"TWO-MINUTE WARNING"なんで、興味のある方は検索してみてください。フットボール映画とかヒットしますけど(笑)
たぶん、ヴァンダムの「サドン・デス」って、元のシナリオはこれだよね。内容的には沈黙+ダイ・ハードになってるけど(笑)

この映画のもっている独特の雰囲気は、カサヴェテスの人脈を頼った配役にあるんじゃないかとおもいます。嫁さんもでてるし(笑)
インディペンデントみたいな肌触りが、落ち着いた雰囲気に貢献してるんでしょう。
有名俳優つってもTVM畑の人が多いから、欧米人が見たら安いって印象なのかもしらんですがね(笑)

まーせっかくこちらへ振っていただいたのにこんな話で
空気の読めない子でごめんなさい。

でもま、ここは回顧厨のブログなんで。


カサヴェテスをもってこいよ映画のパンフとかはそうだったろう?

ていうか顔修正しすぎだ
ヘストン御大はこのころはもうよぼよぼなんで、こんなに若くはありません。
なんだろうこれ、猿の惑星から切り抜いたのか? どっかで見たことのある顔なんですが。
実質、ほんとうにヘストンは「いるだけ」で、こういう映画を見て、したりがおに「アメリカの病巣」なんかを語りたがる人たちのため、馬鹿にもわかりやすく解説つきのせりふをしゃべってくれるって役どころなんで、あ、そういうのはヘストンでいいのか?(笑)
ただ、ヘストンがいなかったら、きっと日本には来なかったであろうことを思うとありがたいです。
「ブラック・サンデー」なんか、レンタルでもめったに見ないもんなあ(笑)
若年層はロバート・ショウとかいってもしらんだろうし。
映画としては大味ですが、これもイイ映画ですよー。だれかニコニコとかにあげてくれんかね(笑)うちのビデオはもうぼろぼろなんだよこれ。見すぎて。
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