りせっとさん
「何故あなたは都合よく過去を忘れるのか」「そこにリセットボタンがあるからさ」-ジョージ・マロリー(仮)-
特撮!
大槻ケンヂとは関係ありません。

以前もネタにしたよーな気するけど、まあいいや。
特撮とは何か
SFXという意味でなら、それはたぶん「サプライズ」ということになるようなきがする。
「うわーすげーこれどうやってとってるんだろー」
という子供のころの驚きが、そのまま今の趣味に繋がっている人も多いと思う。
ネタがわかっていても驚くというのもある。

撮影出身のマリオ・バーヴァは、イタリアホラー界の重鎮の一人だけれども、カメラの前に役者をしゃがませておいて、奥から走ってくる人が近づくと、入れ替わりにたたせることで、突然人物が入れ替わった効果をあげている。これなんかも錯覚やカメラのフレームを利用した、立派な特殊効果だ。
観客が驚けばそれで十分なのだから、効果としては成功。

スターウォーズがやってくると、「特殊効果」というのがひとつの流行語になり、TVでは「特殊効果のすべて」と題した特番が毎月のように組まれた。なにしろ、映画の場面を映してテキトーなナレーションをつけ、たまにメイキング映像なんかを入れれば2時間枠の完成だ。安上がりでしかも、視聴率が取れる。
ハリウッドによる、ひとつの戦術でもあったから、役者、監督、そして特殊効果というのが3本の柱となり、集客の宣伝材料として使われた。ロブ・ボッティン先生やリック・ベイカー師匠の名前を記憶したのもこのころだし、ホラー映画は特に、マニアックな層の集客も当て込んだため、この手の名前を列挙した。
SF映画もホラー同様なのだけれども、スターウォーズ効果で一部のマニアのものという(あるいは子供向けという)垣根が取り払われた結果、ジャンルそのものが一般化することで、フィル・ティペットとかスタン・ウィンストンといわれても、一般の人からは「????」という反応しか返ってこず、「特殊効果」という名前は一人歩きし、スタッフの名前は結局マニアにしか記憶されない、というのが90年代以降の、日本における洋画界(主にハリウッド)の流れになる。

その反面、固有人物名の代わりに、SFXスタジオの名前でそれが代表されるようになっちゃったりする。ジョン・ダイクストラは知らなくても、映画通を自称するならILMは聞き覚えのある名前だろう。固有名詞はやっぱ覚えにくいし、なんでも記号化したがるという日本人の一面を表すお話なのかもしれない。

そのため、おざなりに名前が書かれはするものの、CMで特殊効果技術者の名前はあまりみなくなる。ILMは一応でてくるが、他はせいぜい「ロード・オブ・ザ・リングの特殊効果を手がけたスタッフによる」なんてことをかかれればいいほうだ。

日本でILMに匹敵する記号といえば、やはり円谷だろう。
同族経営の欠点が露呈する形で経営が破綻しちゃったりはしているが、昭和世代の私たちにとって、やはり特別な響きを持つ名前には違いない。
がきのころは「円谷」と書いてあれば、ほとんど無批判に「すげえもの」という先入観で見ていたし、特撮という言葉はほとんど円谷の専売特許のような感じで、よほどマニアックな人以外、ピープロの名前を記憶していたりする人はいなかっただろう(笑)
(そしてピープロ作品を「変な円谷」と記憶することが、マニアの第一歩だったのかもしれないが(笑))

しかし特殊効果というのは、人を驚かせるために、よりリアルで、より大掛かりなものが求められるようになっていく。ルーカスとジョン・ダイクストラの確執は、マニアにとっては有名な話だけれども、商業ベースでものを見る割には自分の作家性というものに執拗さを見せる傾向が見えるルーカスにとって、作品を成功に導いた立役者として、あるいはダイクストラの存在が腹立たしかったのかもしれない。もっとも、ルーカスの要求する映像と、与えられた予算、時間でぎりぎりのラインのクオリティを保とうとしたダイクストラからすれば、言い分に誤差が出てくるのは当然で、それはダイクストラがアカデミー賞・視覚効果賞及びアカデミー特別業績賞を受賞したことにより、さらに屈折していったように、私には思える。

こうなるともう子供のけんかで、ルーカスはダイクストラの手がけた「宇宙空母ギャラクチカ」をスターウォーズのパクリだとして告訴するし、(ルーカスは敗訴。そらそうだろ。この程度で似ているとされたら、むしろ訴えられるのはルーカスのほうだ)結局はCGIで「何でも描ける」時代となったために、ダイクストラの手がけたSFXを次々とCGIで塗りつぶすという報復手段に出る始末。作家としての気持ちはわからんでもないが、だいたいこういう修正作業で、のちのち評価の高まった作品というのは、あまり聞かない。そりゃそうだ。まるまる作り直すならともかく、ちょっとお色直しした程度で興奮してくれるファンなんてのは、少数でしかない。
コレクター文化というよりも、レアを収集することがコレクターだというゆがんだ価値観の中で成立していった本邦のオタ文化においては、それでも、なんだかんだでデジタルリマスターが喜ばれたりはするのだけれども。劣化映像がクリーンになるのはありがたいことじゃあるけど、ロメロのアレに色をつけた珍品のような扱いになっていくのは、想像できることではある(笑)

そもそも、同じ人が特撮を手がけていれば、カラーが似てくるのは当然のことで、そこまでして「それは俺の」と主張するなら、ダイクストラを懐柔して飼い殺しにしておくか、殺すしかない。こういうところは、ルーカスがアホに見えてくるところだったりもする。もともとカラードに対する徹底的な偏見の元に描かれた世界観ながら、なんとなく雑居しているいかがわしさに「まあいっか」と納得してもらっていたものの、後期3部作でそれがあからさまになり、徹底的にたたかれてへこんでりゃ世話ないな、とまあ思うのだけれども、しかし個人がそういう差別的な感情を持たずに作品へ取り組めるなんてことを信じるほうがどうかしているし、それをテキトーに見過ごしてきておいて、いまさらぐだぐだいうのもどうかな、というのが私の本音だけれども。
幸い、日本人にはそのあたりのニュアンスが伝わりづらいので、ジャージャー・ビンクスはあまり嫌われていない。

話が横道にそれた。

話が前後するけれども、ルーカスが大幅に資本を投下したことにより、CGIの需要というものが、急速に高まった。
当初は一部の人のスキルであったCGIも、需要に対して育成が追いついてきた今では、同人でそういうものが見られる時代にまでなってきている。
その結果、当初はILMの独占状態だったCGIも、現在では無数のスタジオが乱立する状態になり、「ルーカスのプロモーション映画」と揶揄された最後のスターウォーズで、既にCGIは、特別でも、豪華でもなくなってしまった。
もっとも日本では、まだそこまでに大規模なVFXはできないようなのだけれども、それはおそらく、そうしたものに資本を投入する意味を理解できない投資家の存在と、結局はハリウッドの廉価版としか見ない、日本の観客の意識によるもののような気はする。ちゃんと資本と時間をかければ、技術的には同じものを作れるはずなのだけれど。

その結果、「驚くような映像」は、私たち視聴者にとってはごく当然の刺激となった。
いかに贅を凝らしても、いかに技術を投入しても、私たちにはその差が明確でなくなった。
映画というのはそもそも、既にぜいたく品ではない。文芸作品はそうかもしれないが、文芸作品は一般に、SFXやVFXの需要は薄い。
大衆料理というには語弊があるかもしれないが、ファミレスくらいの身近さではあるだろう。
ソースの味でごまかされた、チルドの肉と、精肉されてそのまま調理された肉の差がわかるほど、私たちの舌は肥えては居ない。映像にも同じことが言える。「なんだCGIじゃん」、その感想にたどり着くのは、必然ともいえる。

極端な言い方をすれば、厳密な意味での「特撮」というものは、もう滅んでしまったのかもしれない。種を明かされなくても種の割れている魔法というのは、もう魔法でもなんでもない。光と影が作り出した魔法の映像、私が子供のころに出会った驚きというのを追体験することは、難しいのかもしれない。
もっとも、種が割れているといえば、屁理屈屋なら「特撮ってわかってるじゃん」と答えるかもしれない。それは一見正しい指摘のようで、結局は言葉遊びでしかない。

そんなことを考えながら、昭和から平成にかけてのゴジラシリーズを、時系列的にではなく、漫然と見ていたのだけれども、そういえば昭和のゴジラには「これ、どうやって撮ったんだろう」といえるほどの驚きは、あまりないように思える。子供が見ていても、ぬいぐるみを着て、ミニチュアの中で演技していることは察しがつくし、操演はピアノ線が見えているから、注意深く見ていれば「吊ってるな」とわかる。
たしかにハリーハウゼンやなんかの映画を見ているときは、作品そのもののおもしろさと同時に、「これ、どうやって撮っているんだろう」と探している自分を見つける。少なくとも、そのあたりの作品を見ていることについては二つの角度から見ているのだけれども、じゃあ、ゴジラはどういう見方をしているんだろう。

理屈っぽくいってしまえば、特撮だとかそういうことは抜きにして、至極単純にがっちんがっちん怪獣が殴りあうことを楽しんでいるんだろう。環境がどうとか、テーマがどうとか、特撮? 人間? 地球? たぶん、そんなことは気にしてない。もっとも、例外的に扱われる一作目は、もともとSF色の強い作品だからそうもいっていられないのかもしれないけれども、じゃあ、何が楽しかったんだろう。
自問自答してみるけど、わからない。
こういうものは、消去法で探していっても、つまるところ「わからない」という結論に至るものだろうし、第三者が見事な論理で理屈付けてくれたとしても、理解はできても納得のいかないものなのだろう。結局は「気分」という言葉に象徴されるもので、どういう理由もないのかもしれない。

ようするになにがいいたいのかというと、技術や、シナリオや、役者や、演出や、それらもろもろの要素をピックアップして作品を論じるというのは、実はばかばかしいことなのじゃないか、ということなのだけれども、それでもこだわりたいというのが、マニアであり、オタの性なのだろう。

CGIというのはたしかに、サプライズがない。いや、厳密にはソフト面でのサプライズというのはあるのだけれども、素朴な楽しみというのは薄い。それでも、ミレニアム以降の作品を見ていると、CGIがもっとも苦手としていたひとつの表現、水のすばらしさに目を奪われる。水の表現は、じつのところミニチュア撮影でも鬼門で、水の粒子の大きさというのは、ごまかせない。それを克服することで、間違いなくゴジラの存在感は増している。
なら、それでいいじゃないか、最近はそう、素直に思えるようになった。
別に驚きがなくても、魅力的であればいいじゃないか、そういうことだ。
で、おもうのだけれども。


機龍にも炎の照り返しが欲しかったなぁ(笑)


白銀のボディに、赤い照り返しというのがメカゴジラの魅力のひとつであると思うのだけれども。あれか、演出的にはヒーローだから、禍々しくちゃだめだったのかもしれない(笑)
でも、複雑な鏡面に炎をうつりこませる作業というのは、じつのところとても難しい。ここはまだ、実写に軍配の上がるところなのかもしれない。
すべるように走るデストロイアは陳腐かもしれないが
コンビナートの照り返しを受けて咆哮するメカゴジラは美しい

ようするに、使い方、使う場所次第ってことなんだろうな、と。

しかし、取締りが徹底しているのか、それともまったく人気がないのか、本気で動画ないな、ガイガン……
トレーラーくらいはあってもいいとおもうんじゃがなあ。流星人間ゾーンのガイガンとかはひっかかってくるんやが(笑)

そういえばWIKIをみていると、デストロイアはめちゃめちゃ売れたらしいと知って「え、そうなの?」と再見してみたのだけれども、デストロイアって、そんなにかっこよくはないよなあ。
売れている理由というのはおそらく「ゴジラを倒した(厳密には違うけど)」という理由なんじゃなかろーか。私たちの世代で言うと、タイラントとか、バードンとか、エースキラーのような。
再見して思ったのだけれども、デストロイアってどーも(主観的にではあるけれども)、演出がまずい。
初登場でも存在感が薄いし、群体はいつものように、するーりするーりと床を滑ってくるから、あまり怖くない。もちろん、シリーズ1、2を争うほど人が死ぬシーンが多かったりはするけれども、効果的とは思えない。なにより、石野陽子って、こんなに大根だったかぁ? と、首をひねりたくなるほどに、感情が入ってないように見える。
致命的なのが、肝心の完全体の登場シーン。なんとなくカメラ固定して、巨大感を出そうとしているけれども、カメラ引きすぎてなんかちっちゃく見える上に、そこに至るまでの引きが弱く、「なんとなくでちゃいました」な唐突感が強くて「あれっ、いたの?」という印象が強い。
単純に気のせいかなぁ、ときになって(じつはこのシーンが気になって過去作品を引っ張り出したのだけれども)、やはり初見のときと印象が変わらず、ひどくデストロイアの印象が弱い。その分ゴジラの存在感がすごいから、まあいいのだけれども。
くらべちゃいかんのだろうけれども、同じ群体なら、某アニメ? って感じのレギオンとか、同じゴジラのメガギラスのほうが、ちゃんと勿体つけて登場してくる分、印象が強い。
ミレニアム以降、妙にホラー要素が強くなった印象のあるゴジラだけれども、これもなんとなく、作り手がデストロイアの成功を勘違いしちゃった結果なんじゃないか、という気がしてきた。映像的にはどれも完成度高いし、ぶっちゃけ×メカゴジラとかは傑作だと思っているけれども(でも不満な点はある)、ショービジネスである以上、思い込みと希望的観測で作品を作っていると、観客の期待からどんどん外れていく、ということなのかもしれない。

パニックものや、ホラーといったジャンルにはやり廃りはあるけれども、私は、怪獣に流行はない、と思っている。
子供はたいてい、怪獣が好きだ。
その欲求を満たしてやれるかどうかが、商業的な成功を収めるかどうかということで、オタクがうなる脚本とか、設定とか、映像では、子供をつかみきれないということなのかもしれない。

そういう意味では、CGIだろうが特撮だろうが、どっちでもいいのだ。

ガメラが失速して言った理由も、そのあたりにあるのかもしれない。
いや、わかんないけどね。私素人だから。
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