りせっとさん
「何故あなたは都合よく過去を忘れるのか」「そこにリセットボタンがあるからさ」-ジョージ・マロリー(仮)-
ダンジョン&グリフォン
久しぶりにGYAOで、観たことのない作品を扱っていた。


予告編

コメントでも、グリフォンが安いだの、画面がチャチだのと酷評されていたので
私はひねくれものだからここは褒めてやろうと観たわけですが
いやあ、コメントが間違ってることを再確認しました。

じゃあ面白いのかって言うと、まあ、そんなことはないんですが(笑)
前提としての知識と、楽しむ土壌が違うってお話。

まず、映画を見慣れている人間なら、色からしてもこれが劇場作品ではないことはピンとくるでしょう。
私もそうおもったので調べてみると、やはりTVMでしたって調べる前にわかっちゃったよっ



主役がこの間ネタにした7デイズ/時空大作戦のジョナサン・ラパリアじゃん!(笑)



7デイズ再放送のフラグがっ!?
とか思いましたが、ぼろかすにいわれてるのでそれはないなぁ(笑)
まあ、ようするに映像としてはTVMの予算なのだから、評価の基準がおかしい。
3Dゲームに出てくるドラゴン相手に「あれはチャチ」とかけちつけるようなもんと言えば、伝わると思いますが、どだい予算が違うのだから、むしろこれはがんばっているほうでしょう。
ロケーションを見ると、英国にしてはどうも広大すぎるような感じなので、合成したのかな、とはおもいますが、最近お約束のニュージーランドロケかもしれません。
ラパリアはオーストラリア出身なので、なんかそういう方面のつながりもあるのかもしれませんが。

とりあえず、そういう部分にケチつけるなら、劇場作品かどうか位は調べようよ、コメントするくらいなんだから、オタなんだろう?
とまあ心の中で思ったんですが、チャチというほどではないにせよ、確かに映像作品に載せるには、今はこのレベルだと弱いかな、という感じはあります。

物語は、二つの国がなにやら呪いもあって争っているのですが、悪い魔法使いが一方の国の王様を騙してグリフォンを支配し、ふたつの王国に君臨しようとするのを、王子と姫が敵味方という垣根を乗り越えて協力し、戦うというようなお話。まあ、いまさらそんな王道で捻りもないものやられてもな、と突っ込み入るのはわかるような気もします(笑)
たぶん、ハリー・ポッターや指輪関連で、この当時、アメリカ国内では需要があったんでしょう。日本にはそんな需要なかったわけですが。

この悪い魔法使いというのが無茶苦茶強く、そして無茶苦茶悪いやつなので、ゲームのようなといわれるのも納得いくシナリオではあります。ゲームなら感動するレベルかもしれませんが。
べつにゲームのシナリオが劣っているとか言う話ではなく、結局CGでは役者の感情表現まではトレースできない、ってことはファイナルファンタジーの史上最大の失敗で証明されていますから、ある程度はカリカチュアされた、シンプルなキャラクターにならざるを得ないって事です。数年先はわかりませんが。
ただ、このシンプルさには理由があると思いますが、構成的に後述。

これに敵味方同士の恋、それを乗り越えた団結、なんだかとんでもなく強いママ(主人公の)、ファンタジー世界に導入される現実要素(スリング式手投げ弾って聖なるハンドグレネードかよっ)、異様におっぱいぶるるんな悪い魔女二人(ソフトコアポルノに出てくるようなエロい衣装)とまあ、異常なほどに詰め込みまくっていまして、それが伝説のやりを集めるというアイテム収集シナリオを主軸として描かれています。まあ、確かにゲーム的。
というか



ママあんた戦えよ



そういう突っ込み入る余地が、ゲームっぽいとかいわれる下地になっているとはおもいますが(笑)
この大味なシナリオ、のみならず、ファンタジーなのに喋りがあからさまに現代劇っぽいというのは、脚本家が無知なのか、客層にあわせたのか、そういうところにも安さがにおう下地はあるんですが

おそらくこの作品、TVMにしては結構金かかっていますし、そのわりには一体見せ場はなんなのかという焦点のボケ具合や、大味でなんの捻りもないシナリオからして



アメリカの年末時代劇なんじゃないでしょうかね


(いや、そもそも時代劇ちゃうやんという突っ込みはおくとして、いうなればノリ的に)
あれですよ、年末時代劇には普通、シナリオの良さであるとか、映像クオリティは求めないですよね?
とりあえず安心してみていられる、予定調和からは絶対に逸脱しない脚本で、なんとなくイケメン主人公と、重鎮の客演、それになんだか安っぽい現代要素を取り入れて、って考えれば


そういう方面の感動とかを期待するほうが間違ってる


という気になりませんか。ならないか。年末時代劇にまでそんなもん要求するのかなぁ(笑)私はしないけど。
放送時期はわかりませんが、アメリカのことだから、クリスマス作品として製作されたものじゃないですかね。息子殺されてにこにこ笑いながら、娘がそのカタキとまんこしてガキまでつくっちゃってるのにおいおい王様あんたそれでいいのかよ、的展開も、それなら納得です。クリスマスですから。all good thingsですから。スクルージも踊っちゃいますから。

なので、これから年末に向かう時期、こたつでみかんしながら、家族でまったりと見る分には良い作品なんじゃないでしょうか。適度にお色気要素もあるので、お父さんも大喜びですし。
私個人としては、ジョナサン・ラパリアが久しぶりに見られて良かったですが。このひとうまいとおもうんだけどなあ。

ま、年末年始時代劇だと思ってみれば、ママは岸田今日子ってことで、大活躍は納得ですね。

調べていていまさら知ったんですが、CSでもやってるWITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え!にでてくるジャック・マローンことアンソニー・ラパリアは、兄貴だったんですな。珍しい名前だなと思ったら、肉親か(笑)

それにしても、物語のコアとなるファンタジー部分で、「日食前にグリフォンを倒さないと、魔法使いが不死身になる」という展開で、日食まで後どのくらいなんだ、てのにラパリアに「7日間か」といわせたのは、たぶんギャグなんだろうなぁ(笑)
日本人でここがツボにはまって笑い転げた人ってのは、私くらいかもしれませんが。
バックステップして魔法使いとめろよパーカー(笑)
es[エス](2001)
この手のネタは、その筋の人にしか受けない、とおもったのですが、結構売れたそうですねえ。
実際映画を見てみると、ハリウッド風のエキセントリックかつ過剰な演技は控えめに、いかにもドイツ人っぽい計算された演出に好感が持てます。
監督のオリヴァー・ヒルシュビーゲルは、以前ネタにした「SF/ボディスナッチャー」の4回目のリメイクを監督しています。でも脚本がウォシャウスキー兄弟(バカ)なので、マトリックスのようにオタ受けの良い作品になってるかもしれません。観ていないのでしりませんが(笑)
「オタクはおもわせぶりで中身の薄いものをつくるのがうまい」とかいうことを誰かがいってましたが、そのとおりなので、結構楽しめる作品になってるかもしれないとはおもいますが。
(私は娯楽作品というのはそういうものでいいとおもっています)

とりあえず、またGYAOでやっているので(笑)、興味のある人は今のうちにみておくといいかもしれません。

説明がめんどいので、検索ワード設置。

スタンフォード監獄実験
ここが公式。
1971年にスタンフォード大学でおこなわれた心理実験。本作のネタ。
「与えられた環境に、人間は急速に適応しようと自らの役割を規定していく」という感じの実験なのだけれども、実験の方法やその過程に大いに問題があり、被験者にバイアスがかかっていたり、研究者自体の姿勢にも問題がなかったか、などと、これを根拠として取り扱うのはどうかな、という実験。
「こういう状況になるよう方向付けた」誘導があれば、それに飲まれていく可能性がある、ということを示唆した実験ではあると、個人的には思う。
フィリップ・ジンバルド(実験の責任者)自身が「自分自身が作り上げた環境に飲まれていたのかもしれない」とも述べている。

ミルグラム実験(アイヒマン実験)
アドルフ・アイヒマン以下のナチ戦犯が、はたして上官からの命令だけでユダヤ人虐殺を行ったのか、ということを心理面から検証するために行われた実験。
簡単に言ってしまうと、「こいつの頭に銃口を押し付けてトリガーを引け」と命じられれば、やっちゃうかもしれない、という可能性を示唆した内容。ガンダム00でもそういう描写ありましたよね、とオタ向けのサービストークも交えつつ(笑)
実際は、権威ないし上官などに指示されれば、指示系統の上位に「責任を転嫁」することが可能であり、実行者はあらゆる行為を権威そのものに命じられたから、と自己欺瞞することでなんでもやってしまえる可能性を示唆した実験結果だと思います。

スタンレー・ミルグラム
ミルグラム実験の責任者。六次の隔たりは、ネットワークコミュニティの根拠のひとつ。

エス
心理学用語。フロイトで検索してみよう。
SFファンなら、イド。井戸の怪物ってのもあったな(笑)

まそんなかんじで。以下ネタばれ。
[es[エス](2001)]の続きを読む
悪い種子(1956)
おっぱいぷりんってありますよね。
と、のっけからせっかくのAE効果をだいなしにするかきだしですみません。

まあ、このミラクルヒットも9割はよくわかんないで押した人だろうから、いいですけれども(笑)


これがマングラれたってことかっ


ま。ヨタはさておき(だったら言うなよ)
ブログとかでネタにされることを見越した、この手の商材ってのは基本、私は無視しているのですが
名古屋限定 おっぱいぷりん
が「あんたぜったいつっこむって」という商品らしいので、みてみましたよ。
↑はググってありますので、お好きな画像をみてごらんなさいまし。
で、こちらは私の好きな絵描きさんのぢょんたいらんさんのHP。
クリックして中に入り、絵をご覧になってくださいな。



ナニが言いたいのかおわかりになりましたでしょうか



てか、いいのか?(笑)
(ちなみにリアルお子様は押しちゃダメです。潔癖症の腐女子も。大きなお友達はOKだ)
いやあ。


偶然似ちゃうことっていうのはあるよねっっっ


うん。私も描いていてあるからよくわかるんだ。
共時性現象ってやつ?
おおっとそばに偶然よく似た単行本の表紙が。



本日お話する映画は
(前フリスルーかよ)
「悪い種子(たね)」
べつに「しゅし」でもいいとおもいますが、ポスターにまでわざわざ「たね」とルビを振ってあるので、そう読ませる意味があるのでしょう。
たね。たねなぁ(深読み読みするところです)

タイトルでわかるとおり、古い映画です。
1956年っつったら、わたしゃタネすらできてませんよ(笑)
当然、学生になってみたわけですが
今GYAOでやってますけれども
(またかよ)


これはおもしろいですよお


実際映画通を名乗るなら、こういう映画をこそ、見ておかないといけない
そんな映画です
カルトムービーとか古典ってやつは、大いに流行してしまい、ようするに「これとこれとこれを見ておきなさい」というテクストがあって、たとえばかなりマイナーな「悪魔の追跡」だとか、「燃える昆虫軍団」なんかは、一応名前もでてたりしますが、そう、カレン・ブラックの顔が一番怖い「恐怖と戦慄の美女 」すらでてますが(タイトルはポテチンですが、現在のホラー、スリラー映画の原型とも言えるエピソードが詰まったオムニバスで、傑作です)
「悪い種子」って思ったよりも耳にしないんですよね。
私も当初は輸入ビデオで見ました。だったよな、たぶん……学生のころだから記憶があいまいだ(笑)

なので、ヒアリングしつつ見たのでいまいち細かいストーリーが頭に残っていなかったんですが、今回字幕付で見直しまして、いやあ、ほんとに傑作だなと。

まあそんなわけで、なんかヘッドホンのコードが切れてプチ逆切れ気味なので短めに(笑)
[悪い種子(1956)]の続きを読む
SF/ボディ・スナッチャー(1978)
GYAOのよさは、手軽に見られること、マイナーな作品をわざわざ足を棒にして探さなくてもよいこと
わるさはZ級はあまりやってくれないこと、そしてシーク速度の遅さ
つまり

光プランに入ってねということなのだけれども

なにかしながら見るにはちょうどよいので、これでいい。

で、先日ちょい取り上げました「SF/ボディ・スナッチャー」
いつもリンク貼ってますが、マニアでない限り買う必要はないです
GYAOの画質もレンタルビデオ並くらいはあるので、視聴には何の問題もありません
みておけ。

特にアレですよ、ストラトス4のファンは見ておかないといけない作品です
なんでかっていうとですね、思うにあの作品は

フィリップ・カウフマンリスペクト作品

だと個人的には思うのですよ
メテオスイーパーの離床時にかかる曲は、まんま「火星」
つまり、まんま「ライトスタッフ」てのは、見た人が誰も思ったとおもいますが
(てーか、イエイガーネタありますしね)
もうひとつの骨子、つまり隕石飛来ですが
それが本作

宇宙からやってきた謎の種子

本作では莢になっていますが、ストラトスでは莢状の巨大隕石になっています
惑星規模の災害ってことで、隕石になっているだけです
ただ、ハッピーエンドにするために、「複製」ではなく「寄生」になっています

じゃあお得意の「尻」はなんなのかというと


セックススキャンダルとM&Aを描いた問題作
「ライジング・サうわやめろおれにいろいろといわせてくれ


カウフマン作品には割に頻繁に「変な日本」が出てくるので、案外日本人は彼のことを親日家だと思っているようですが
(本作中でもサザーランドが箸で飯を食っているシーンが出てくる。しかしくってんのは、中華なべで作ってたし、八宝菜なんじゃないかとおもうんだが(笑))
私は日本をおちょくってるだけだとおもうんだけどなあ
そういう意味では親日家なのかもしれませんが(笑)
おちょくるといっても悪い意味ではなく、文化的な差異をコミカルに描くのが好き、ということで
日本文化=変、という図式
サザーランドが箸で飯を食っていたシーンは、彼が変わり者であるという暗示だと、個人的には思っています
でも、包丁も中華包丁なのな(笑)

まあそんなかんじで。



※追記
今、あの問題作(笑)「マングラー」もやっておりますよ。
トビーファンは必見だ!(笑)
むしろキングって、モダンホラーの巨匠とか言われているけれども、こういう幼稚園児が考えたようなくっだらないネタをユーモアたっぷりに描く作家だと、私は思っています。
さすがトビー・フーパー、ちゃんと視聴できるレベルの作品に仕上げています。
日本語吹き替え版もあるのでオススメ。
なんかGYAOの広報みたいだな私(笑)
金くれよGYAO。
[SF/ボディ・スナッチャー(1978)]の続きを読む
80メガトンの戦慄
ちょっとかぜひいたらしく、どうにもへぼへぼなので「こういうときこそ全然見ない映画を見よう」とおもいまして
「レマゲン鉄橋」だの「北京の55日」だのといった、長い映画でもみるかー、とおもってたところ
昔ブックオフで10円で投売りされていたビデオを掘り出してしまい
よし、これでもみるか
とパッケージをあけたところ

ぱきゃ

うわっなんじゃこの黒い破片のむれはっ∑( ̄□ ̄||||||
解説しよう
あまりにも放置しすぎていたために

ビデオのパッケージが風化して崩壊したのだ
(マジ)

こんなこともおこるんやなぁ
とか感心している場合ではない
幸いビデオは新品同然
そりゃそうだ

こんな映画誰もかりねえって

マーチン・シーン主演
「80メガトンの戦慄」
まさに私にとって戦慄の走った映画
タイトルに偽りなし!!!



試みにググってみると
見た人間ってのが存在しねんじゃねえかってくらい、リアクションがない
10年位前、私がホームページ立ち上げた頃の「弾丸特急ジェットバス」並である

実はこの映画、何度も何度も観ようと試みては
冒頭研究所に車が入るところで寝てしまう
私はどーも、興味がないものに対してはそんなかんじのリアクションをするらしく
折角友人が貸してくれたエロゲーなんかで、しばしば

「で、どこまでやったん?」
「ヒロインが起こしにきてくれたので一発殴った後寝た。リアルに」
「あんたそれ冒頭やん」

ということがありまして、ようするに
つまらない映画であるというオーラがビシビシ伝わってくる。
なにしろレンタルオチだというのに

すさまじくマスターテープに近いグレードの画像

誰もが同じリアクションをしたに違いのない状態とか
しかも「これイタリア映画だよなどうせ」とかおもっていたら

スタッフが立派にアメリカ人

最後までみてみると、こう、びしっと中央に役者が寄るところから
TVMらしい
お察しと思いますが

つまり予算が安い

そんなわけで「来るべき核戦争の恐怖うんぬん」とかいいつつも
場面は室内ばかり
全て台詞だけで進行してしまう
ギミックなんかが凝っていれば面白いのかもしれませんが、核実験のシミュレーションも、基本的に実験をモニターしているちっこいTVの映像をみながら
「きけんだ!」
「はやく退避するんだ!」
とかやるためにさっぱり盛り上がらない
なんですかね、おそらくは「チャイナシンドローム」あたりのヒットにことよせて作られた、志の低い社会派TVMだとおもうのですが

マーチン・シーンの演技がはまっているだけに、周りの安さがどうにも

そう、マーチン・シーン主役ということで気づくべきだったんだ
「アウターリミッツ」の役者やで?
トンチキな映画というのはある意味補償されたも同然

賞味期限の切れた名優カーク・ダグラスと
いるだけで結局何もしなかった主人公マーチンの映画
「ファイナルカウントダウン」とか

いや、だいすきなんだが

ああいうテイストの作品だと気づくべきなのである
しかし予算がないので、「ファイナル」のように空母のシーンで軍オタ大満足とかいうお宝映像もない
そんなくだらない映画をネタにしてどうすんだ、とおしかりを受けそうなんですが
解説しよう ここからが本題である




あらすじ

核物理学者のアレックスはニュークリアマンセーのイカした科学者。
ちょっとキ印のはいった友人の、いかれた行動にまきこまれ、職を失うかも、ってくらいのピンチに。
その友人の主張は「80メガトンの爆発が起きたとき、核連鎖反応が起きて核竜巻が発生し、全人類が滅亡する」というもの。
ほんまかいな?
しかしアレックスは、実験を進めていくうちに、彼の推論が事実であると確信を持つようになる。
核反応を肉眼で覗くと言う神秘体験を経験した彼は、偶然パーティでであった常識的な神父を通じて、よくわからない神秘世界へと足を踏み入れていくのだった……。



そうなんですよ。この映画、よくわかんないですがオカルトまで取り込んでいるんですよ。
ところがラストのオチには、そんなことはおくびにもださない。オッペンハイマーやJFKの演説を引用したりして、政治家になりたかった男、マーチン・シーン節全開。ここだけみると、完璧な社会派なのだ。
勿論冒頭もそう。
おもうに

「「チャイナシンドローム」をやろうとおもうんだ」
「それはいいけどネタはあんのかよ」
「あの映画は地面からぬけるんやろ。なら竜巻にしてしまえばいいねん」
「それはええけどそんな予算ないで」
「俺に考えがある」

とかなんとかいうやりとりがあって、当時まだ流行していたオカルトをくっつけ、無理やりサスペンスを盛り上げようとしたのではないだろうか
勿論そんなええかげんなプロットで観客を騙せるはずもなく、社会派かと思っていたら途中でオカルトにはしるシーンに「あれっ」と思い
「そうか、ラストはなんだか神々しい雰囲気でおわるんやな」とおもわせといて
引用ばっかりのシーンの演説でおわる
アレッ
なんかへんなもんみたなあ

そんな映画である。
しかし、わざわざうちを覗きにくる人なら、このイタリアンテイストあふれるコンビネーションにニヤリとし、「ふっ、俺はたのしんでやるぜ」と思ったかもしれない
かんがえなおすんだっっ

なにせ、シーンがはまっていくネタってのが、あの「ファティマの予言」なのである。
うわあっ(笑)

簡単に説明しよう

「ファティマの予言」というのは、平和の天使を名乗る少年がファティマに住む3人の子供を訪れ、なんだか尊いメッセージを伝えた、というもの。
トンデモ本ではこの少年、だいたい宇宙人にされる。
予言というのはおおざっぱに3つあって、ようは核兵器だの、人間の堕落によって世界がほろぶ、といったおきまりのものなのだが、第3の予言というものがあって、なぜかこれは公表されていない。



ようするに言いたい放題のことがかけるので、しばしば創作のネタにされる

このファティマの予言というのは、ローマによって認定されている奇跡であり、ようはキリスト教圏では、ノセタラダマスノストラダムスなんぞと比べ物にならないほどの格があるのである。
しかも、この3人の子供の一人のルシアは、なんと2005年まで生きており(事件は1916年に発生)、映画(1985年)の中でも「ルシアに会いに行く」と、例によって言葉だけで説明される
作中でも神父から「彼女は聖人なので、会うためには法王の許可が必要」(もっともな話だ)と突っ込まれるのだが、正義の使命に目覚めたシーンは「なら法王の許可を取れ」と

アメリカ在住の一介の神父に命令する

予算がないので勿論ルシアにあうことはできない。
(そもそも無理だろうという突っ込みはおいといて)
なんだかうやむやのうちに、下部組織みたいなもんと接触、「俺は選ばれた人間なんだ」と、なんだかブルース兄弟みたいなことを言い出すだけで終わる。

実験でも、神の奇跡? によって、暴走し始めた実験設備を、なんだか納得はいかないが複雑な手順で停止させ、演説して終わる。
ラストの演説とか、適度にきれいなオチがあるだけに、なんだかひどく不思議なものをみせられたなぁという、名状しがたい感覚だけを残して、おわる。

ファティマの予言の部分を、もうちょい、うまいことやっつけていれば化けたかもしれないが、TVMで予算がなかったのだろう、ぜんぜんもりあがらない。
「オーメン」は1976年の作品だが、ローマにとんだり野犬に襲われたりと、大忙し。そういう舞台設定はにてるのだが、聖母像をみせてもらったり、宅配中華をくいながら神父を脅しているのでは、もりあがらないこともはなはだしい。

しかし、ぜんぜんつまらない映画でもないところがミソ。
マーチン・シーンファンなら、彼のお宝演説がみられるだけでよし、とすべきだろう。
10円でこれだけネタになったのだから、私的には大満足である(笑)